そんなとき、とりあえず不動産屋に行って、専門家の話を聞く人が多いかもしれません。
当然、不動産屋(営業さん)は一般の人に比べて、不動産や売買契約の知識があります。
しかし、不動産屋が不動産を使ってお金を稼ぐプロだということを、心の片隅に思いながら、彼らの話を聞いてほしいのです。
誰かの持ち物を、別の人に渡す手助けをして、不動産屋は生活している
- 誰に渡したら、もっとも儲かるか
- どうやって渡したら効率よく稼げるか
(私を含め)不動産屋は、一つの物件で最大限にお金を稼ぐ方法を考えています。
不動産屋は、他人の不動産を使って、生計を立てています
あなたの相談を受けた不動産屋は、当然、あなたと違った思惑があります。
ですから、不動産屋にとって都合の悪い事実は説明されません。また、あなたの不利益を巧妙に隠しながら、会社と営業にとってベターな方向へ誘導されることもあります。
このサイトでは、不動産会社の方針や、個人的な営業成績などに関係なく。家を売る人が損をしない知識と、家を売るための準備方法をお伝えしています。
会社をトバして自分だけ儲ける不動産営業
売主の不利益を考えず、不動産会社だけ儲ける有名な手法が両手仲介を狙った囲い込み。
他社のお客様には紹介させず、売主の不安を煽り、値下げさせて、両手仲介を狙います。
囲い込みについては、下の記事で詳しく紹介しました。
ここでは、囲い込み以外で、悪い営業の手口を一つ紹介します。
業界の暴露なので、内緒でお願いします
普通に、不動産会社が仲介に入って家を売るとき、物件価格の3%+6万円が売主さんが不動産会社に支払う仲介手数料。
さらに、その仲介手数料の2~3%程度を報奨金として、基本給とは別に担当営業が受け取ることが一般的。
- 4000万円で売却 → 126万円の仲介手数料(片手取引)
- 126万円の2% → 約2.5万円が担当営業の報奨金
※フルコミッションの営業には該当しません。
ここで紹介しているのは会社から基本給を頂いているサラリーマン営業です。
10万円を稼ぐため、500万円値切る不動産営業
つまり、4000万円の家を一軒売ることで担当営業の実質的な利益は2万5千円。
しかし、この物件を3500万円で業者に買い取らせれば、5~10万円の紹介料を個人的に受け取れます。
あくまで勤めている不動産会社を通して、売主と買取業者で仲介を成立させるのが一般的。
しかし、不動産会社を飛ばして、営業への個人的な紹介料で安くあげようとする買取業者も珍しくありません。
不動産営業も、毎回このようなことをしていたら、不動産会社をクビになるかもしれません。
しかし、その月のノルマをすでに達成した営業。ちょうど、家族を旅行に連れていきたい営業もいるでしょう。
こんなタイミングでは、悪い不動産営業が、仲介でなく、買い取りを強く売主に勧めても、なんら不思議ではないのです。
売主・買主・営業、3者の思惑はバラバラ
うっかり不動産営業のダークサイドを暴露してしまいました。
つねに絶対的な正義はなくて、売主・買主・営業、その立場ごとに有利なこと、不利なことは違います。
反対に、家を買う人にとっては、なるべく安く買うことが大切。
それぞれ立場が違うので、売却価格に正解はありません。
あなたが家を売るなら、売主として損をしない知識をつけ。
自分自身で判断し、決定できることが必要でしょう。
これから、家を売るための知識や準備を、順番に紹介します。
より詳しい知識は、関連するページのリンクをご覧ください。
家を売る3つの方法
まず、家を売る方法は、買取保証・買取・仲介の3つがあります。
それぞれの違いと特徴を下の表にまとめました。
買取保証 | 買取 | 仲介 | |
確実に売れる | ◯ | ◯ | × |
高く売れる | △ 仲介期間に売れば高値 |
× | ◯ 値下げしない覚悟が必要 |
早く売れる | △ | ◯ | × |
売却の手間 | △ 仲介期間は内覧・掃除 |
◯ かからない |
× 内覧・掃除が必要 |
売却費用 | △ 仲介で売れば手数料 |
◯ 仲介手数料なし |
× 仲介手数料かかる |
反対に、すぐに確実に売れるのが業者による買い取り、でも安くなる。
不動産会社による買い取り保証付き仲介は、仲介と買い取りのいいとこどりです。
媒介契約の種類を選ぶ
不動産会社を選ぶ前に、不動産会社との付き合い方を知っておきます。
一般的な仲介で売り出す場合には、3種類の付き合い方(媒介契約)があります。
大きな違いは、一社からしか売り出せない専任媒介、多くの会社で販売してもらえる一般媒介契約です。媒介契約の種類による特徴を記しました。
媒介契約名 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
---|---|---|---|
売り出す不動産屋 | 1社のみ | 1社のみ | 何社でも |
売主が買い主を 見つける |
できない | できる | できる |
売却状況の報告 | 必ず状況を報告 1週間に1回以上 |
必ず状況を報告 2週間に1回以上 |
報告義務なし (売主が訊けばOK) |
レインズへ登録 | 必ず登録 (5日以内) |
必ず登録 (7日以内) |
登録義務なし (頼めば登録) |
宣伝広告費 | 多い | 多い | 一社あたりは少ない |
囲い込みの心配 | あり | あり | なし |
値下げ圧力 | あり | あり | なし |
不動産会社と担当営業を選ぶ
- あの不動産会社は売買よりも賃貸が得意
- 売買は得意だけどマンション専門
- 中古の一戸建てはあの会社にかなわない
同業者からみた不動産会社は、それぞれ特徴があって多様性に満ちています。
しかし、一般のお客様には、とても分からないでしょう。
あなたの大切な資産を、売れない不動産会社、ダメな営業に頼めませんね。
誰でも簡単に見極めるには、比較することです。
信頼できて、売れる営業さんが見つかったら、あとはアドバイスに従うだけでOK!
これ以降で説明することは、その営業さんが教えてくれます
一括査定で比較する
販売価格を決める
じつは、大事なご自分の資産であるのに、不動産屋の言いなりに販売価格を決めてしまう売主がいます。
売る家の販売価格を決めるのは、所有者自身。
不動産屋は助言をする立場です。
家を高く売りたいのなら、すこし高めの販売価格で売り出しましょう。
一度売り出したら、値下げすることはできても、値上げすることが難しいからです。
あわせて売却にかかる経費も、ある程度聞いておいたほうが良いでしょう。
家の売却でかかる経費
- 不動産仲介手数料
- 登記の更正費用(氏名などが変わっている場合)
- 抵当権抹消費用(住宅ローンがある場合)
- ローン一括返済手数料(保険料が返ってくる)
販売期間を決める
家を売り出すとき、いつまでに売るかを先に決めることで、ゴールから逆算することができます。
3ヶ月でも半年でも1年でも結構です。
販売期間を決めれば、そのときにやるべきことが分かります。
売りやすい時期・売りにくい時期もあります。
早めに準備をしておくことが大切です。
住みながら売るか引っ越しして売るか
家を売るときには、住みながら売る方法と、引っ越しをして空っぽの家を売る方法があります。
空室で売るほうが、お客様の案内(内覧)が自由にできますし、オープンハウスも開催できて、不動産営業としてはラクです。しかし、居住中に売ることにもメリットがあります。
内覧の準備
家を売るときには、整理・整頓・清掃を欠かすことはできません。
汚い家は売れませんし、たとえ安くしても良い買主が購入してくれません。
売り出したら、すでに半分あなたの手を離れたと思ったほうが良いくらいです。
家が商品です、常に清掃して磨き上げてください。
見学にいらっしゃるお客様は、新生活を始める住居を見つけようと期待に胸を膨らませています。
お客様は単に不動産物件を探しているのではありません。
そこに暮らすことで得られる、豊かな将来を探して内覧するのです。
お客様の夢と希望を台無しにしないように、掃除と整理整頓は徹底的にしましょう。
他にも内覧には、コツがあります。
掃除に始まり、ペットを連れ出し、照明をつけたり・・。
内覧でお客様の疑問に答える
場合によっては、お客様の質問に答えていただくこともあります。
ネガティブなことを、そのまま伝えるのではなく、ポジティブな要素を付け加えて話すことが大事です。
不動産売買契約では何をするのか
売り出してから、購入の申込みが入れば、ひと安心。
不動産売買契約では、どんな準備をして、当日に、どんなことをするのか確認します。
売買契約に必要な物を下に記します。
- 実印
- 印鑑証明
- 認印(実印を不要に押印しない人)
- 収入印紙(物件価格により貼付する金額は違う)
- 運転免許証などの証明書
- 権利証(登記識別情報)
- 仲介手数料(半金、手付金から支払う)
- 管理規約・使用細則(マンションの場合)
- 建築確認通知書(検査済証)
- 固定資産税納付書
- ローン残高証明書
- 測量図・境界確認書
- 購入時の契約書・重要事項説明書
引き渡しまでの準備と当日の流れ
不動産売買契約が済むと、一ヶ月以内に残金の決済・物件の引き渡しを行うのが一般的。
残金決済と物件の引き渡しを、同じ日に行います。
場所は市内の銀行ですることが多いです。
決済日までに引っ越しを済ませて、不要品の整理や壊れた住宅設備の補修を行いましょう。
- 実印
- 印鑑証明(3ヶ月以内なら前回のでOK)
- 認印(実印を不要に押印しない人)
- 運転免許証などの証明書
- 権利証(登記識別情報)
- 仲介手数料(残金)
- 振り込み銀行の通帳
- 上記、銀行の届出印
- 上記、銀行のキャッシュカード
- 売却不動産の鍵一式
- 抵当権抹消費用
- 抵当権抹消手続きに関する書類
不要なものは、担当の不動産営業が知らせてくれるはずです。担当がしっかりしていないと最後の最後までドタバタしますので、くれぐれも担当選びに注意してください。
家を売ったときの税金
さやかのまとめ
わたしの想いがあふれすぎて、長々と書きすぎてしまったようです。
ここまで、読んでくださった方は、ありがとうございます。
最後にまとめをします
家を売るために大切なことは、不動産屋選び。
何度も言いましが、本当にこれにつきます。
家を売る人が、損をしないように、専門知識をつけるのは大変。
でも、信頼できる担当営業(パートナー)を選べば、専門家の知識を借りれます。
パートナーの適切な助言があれば、あなたは決定をするだけで済みます。
売買契約や決済・引き渡しの準備も、指定された書類を役所で取得するだけ。
頭を使うことも少なく、悩むことなんてありません。
ただし、不動産屋選びが難しいのも事実でしょう。
不動産屋は、売主に選んでもらえるように(最初だけ)頑張るからです。
二人の営業に会えば、比較ができるので優劣が分かるでしょう。しかし、二人揃ってパッとしない営業であることも考えられます。
できれば三人以上の営業さんに会って、比べましょう。
あなたが売る家は、あなたの大切な資産。
優秀な不動産営業に、安全にトラブルなく、少しでも高く売ってもらいましょう。
不動産営業を比較するのは、一括査定サービスが便利です。
こんな悪い営業は、滅多にいない、と思われますか?
そもそも両手仲介は、会社や営業所の方針でやっている場合が多く。
売主にとっては悪ですが、会社と営業にとっては正義です。
また、家庭に多くのお金を持ち帰ることが、お父さん(お母さん)の正義であると、少なくとも本人たちは信じています。