過去に売れた金額を調べて、相場を参考に売り出し価格を決めるのが基本です。
しかし、多くの人がインターネットで家を探す現代では、たった10万円の差で3倍超も閲覧してもらえる価格の決め方があります。
ポイントは物件検索で利用する「絞り込み」機能です。
インターネットで3倍みられる販売価格
家を高く売るためには、「販売価格をいくらに設定するか?」を突き詰めて考えなくてはいけません。
絶対に、気になる情報・見ずには買えない情報って何ですか?
誰であっても無視できないのが価格です!
必ず販売価格をチェックしてから買うことを決めます。
これは、家の売買でも例外ではありません。
【基本】最初は高く売り出す
- 売り出した後で値上げすることは(基本的に)できない
- 売れなければ、徐々に値下げしなくてはいけない
- 買主から「値下げ交渉」はされるが「値上げ交渉」はされない
家を売り出したら、お客様の反応や、競合物件の販売状況を見ながら、販売価格を下げていくのが普通です。ですから最初だけでも、家を売りたい価格よりも高く、販売価格を設定しなければいけません。
ただし、競合物件の状況・インターネットでの見られ方を考慮しながら微調整する必要があります。とくにインターネットには、ライバル物件がとても多く掲載されているため、簡単に埋もれてしまうからです。
【事実】ネットで見られないのは、存在しないのと同じ
2019年現在、家探しをしている購入見込み客は、インターネットで物件を検索します。
suumo(スーモ)などの不動産ポータルサイトを覗いてみると、
とても多くの売却物件が登録されているのが分かります。
→ SUUMO
登録されている売却物件から、自分にピッタリの物件を探すため「条件による絞り込み」をしています。絞り込む条件は、地域・路線・最寄り駅・価格・面積・間取り、など様々です。
- 内覧に備えてお部屋を掃除したり
- きれいに撮影した写真を掲載したり
- 素敵な物件の紹介文を掲載しても
売主がどんなに頑張ったところで、
買主が絞り込んだ条件に合わなければ、検索結果の画面に表示さえされません。
表示されなければ、当然クリックされることはありませんね。
見られることのない物件情報は、存在しないのと同じなのです。
【ポイント】ポータルサイトで販売価格の絞り込み
人によっては、間取りや平米数などを、絞り込みの条件に入れないこともあるでしょう。
しかし、販売価格を条件に入れない人は、基本的に買う気のない人。
本気で買う気のある人ならば、自分で購入できる価格を条件に含めて絞り込みます。
【重要】買主視点でライバル物件の価格帯をチェック
うえの3つは、家探しをする人がよく閲覧する不動産ポータルサイトです。
まずは、売り出そうとする価格で、近所にはどんな物件が売り出されているのかチェックしてみましょう。
3000万円前後で売却したい場合は、
2500~3000万円・3000~3500万円の両方をチェックする必要があります。
モノを買うときに価格を気にしない人はいません。家のような高い買い物であれば、なおさら販売価格の比較が入念になります。
大規模マンションであれば、複数の家が売りに出ていることがあります。「9階の南向きが3200万円で売り出してるのに、3階の東向きが3300万円っておかしいな・・」
まずは、お客様の視点でチェックしてみましょう。
【実践】競合物件を出し抜く方法
9階の南向きが3100万円で売り出してるのに、
3階の東向きが3300万円っておかしいな・・
家の販売価格は、売主が自由に決めることができます。
でも上記のように、意図がわからない価格決めは「がめつい売主なのでは?」とお客様に不審がられてしまいます。
ポータルサイトには、並べ替え機能がついています。
この機能で「安い順に並び替える」が頻繁に使われます。
例えば、同じマンションで、間取り・平米数・階数の条件が競合する物件であれば、
10万円でも安い販売価格をつければ、ライバル物件より(並び替えで)上に表示されます。
そうまでして、見られなくてもいいよ!
と思われるかもしれませんが、見られない物件は売り出していないのと同じだと考えてください。
【応用】3倍の差がつく価格帯の境界
- 3000万円以上~3500万円未満
- 3000万円~3500万円
3500万円で売り出した物件は、2では表示されますが、1には表示されません。
たった10万円の差ですが3490万円にすれば、すべてのポータルサイトで表示されます。
販売価格を2990万円に設定すれば「2500~3000万円」の購入層に訴求できます。
そのかわり、価格の安い順に並び替えられた場合には、一番下の表示になってしまいます。
逆に20万円販売価格を高くして、3010万円とした場合、
購入層は「3000~3500万円」ですが、安い順で並び替えにすると一番上に表示されます。
表示が下になるほど閲覧する人は少なくなります
価格帯の区切りとなる値付けは、競合物件を見ながら慎重に決める必要があります。