当サイトの管理人は、中古不動産の売買を仲介する営業職、いわゆる「不動産屋」です。
いまだから告白できることがあります。
じつは、不動産会社に勤め始めて半年間、まったく売上がなかったんです・・・。(-_-;)
- 不動産を売却したい・・・売主
- 不動産を購入したい・・・買主
つまり・・・、
売りたい人を見つけて、買いたい人に物件を紹介をするか、
買いたい人を見つけて、売りたい物件を紹介するか、
これらの人を仲介することで、宅建業者(不動産屋)の仕事が成り立っているんです。
売れない不動産営業の地獄
まったく売れなかったんですけども、お客様がいないわけではなかったんです。
営業所では、お客様を平等に(順番で)売主も買主も割り振られます。
だから、売る物件もあるし、買いたいお客様もいたわけなんです。
でも、不動産を買いたいと来店されたお客様に、これぞ!という物件を紹介しても「もう少し検討します」と言われてしまいます。
案内をするたびに「今回こそ売れるかな?」・・・
ひそかに期待するのですが、「買います!」の一言がでないまま、
半年間まるで成約することができなかったんです。(=_=;)
不動産業界で、女性の営業はとっても少なくて、ちょっとチヤホヤされたのは、最初の二ヶ月ほどでした。
売主には、「早く売ってくれないとローンが厳しいよ」とせっつかれ。
上司や先輩には「しっかり働け、この給料泥棒!」と罵られる毎日・・。(ノ´Д`)
週ごとの定例会議と、月例会議では、そのつど自分の成績(売り上げ)を他の営業職の前で発表しなければなりません。
「今週もゼロです」
「今月もゼロです」
毎回、毎回、言わなければならないのは、苦痛なんて生易しいものではなくて、私にとっては、ほとんど地獄でした。
私が女だから売れないの・・・?
お客様になめられているの・・?
もう、毎日が苦しくて、会社に行くのがイヤでイヤで、通勤の電車では決まってお腹が痛くなりました。
日中は、とても営業所にいられるような雰囲気ではなくって、大量にチラシを印刷しては外出して、ポスティングをしまくりました。
日が暮れて、他の営業が帰り支度をはじめる頃に、ようやく営業所に戻るのが日課になっていました。
でも、頑張れば頑張るほど、空回りしちゃって、いつも買主には「もうちょっと考えます」と言われ続けていました。
お客様を見ていなかった初成約
そんな私にも、初めて「家が売れる」ときが訪れました。
でも、それは意外なことに、思い描いていたような感動的な瞬間ではなかったんです。
私が一生懸命、おすすめした物件はお客様に見向きもされず、(#´Д`#)
引き立つようにと用意した比較物件を、お客様が「買いたい」とおっしゃったからです。
私には、まるで「売った」という実感がなくて、
「売れちゃった」という感じしか残りませんでした。
私がおすすめした物件は、駅徒歩15分と距離があるものの、築浅でオートロックやフロントサービス付のマンション。住宅設備も申し分なく素敵で、理想的(だと思っていた)物件です。
しかし、実際にお客様が選んだマンションは、駅徒歩5分ですが、築20年以上でエレベーターもない、古くさい公団の分譲マンション、いやマンションというより団地です。
そこに納得がいかなかった私は、売買契約が済んだタイミングで、お客様に尋ねたんです「なぜ、この物件を選んだか?」って。すると、斜め上をいく返答が返ってきました。
ちょうど、さやかさんが案内をしてくれたとき、マンションの自治会で「秋祭り」をやっていたじゃないですか!
その光景を見たときに、初めて来たはずなのに、なんか懐かしい感じがしちゃって・・・。
私も妻も「こんなところで子どもを育てたいね」って言い合っていたんです。
たしかに、子供が小さかったり、買い物が多かったりすると、階段の登り降りが大変かなとも思うけど、もともと私も妻も団地育ちなので、気にならないというか、居心地が良かったんですね。
バカな私の頭をガツンとやられた衝撃でした!(>_<)
私は、設備・施設など、家やマンションの性能とか見た目ばかりを気にしていて、自分の価値観をお客様に押し付けているだけかも?って、ようやく気づいたんです。
お客様の話も聞いているようで耳に入っていなかったし、お客様が住んでからの生活をまったく想像していませんでした。
私がプロフィールに書いていた「女性の視点で物件選びのお手伝いをします」という言葉がいかに上辺だけのものだったかを痛感しました。
住む人の顔が見えていなかったのだから、これでは家が売れるはずもありません。
私の初めての契約に、日ごろ厳しい上司や先輩はわが事のように喜んでくれました。
しかし私は、恥ずかしくて、消えてしまいたい心境だったんです。
「売れない」を「欲しい」に変える魔法
こんな、ほろ苦い初成約となった営業デビューでしたが、「こんなところで、子どもを育てたいね!」というお客様の言葉は、私にとって大きな気付きになりました。
お客様はオートロックのエントランスが欲しいわけでも、床暖房や食器洗浄機といった住宅設備を手に入れたいわけでもない。さらに言えば、住宅そのものを求めているわけではなくて、「そこに住むことによって得られる豊かな将来」に大きなお金を払うんだというお客様の気持に、ようやく行き着くことができました。
そこに気づいたとき、私のなかでパチッとスイッチが入りました。
それで、これまで売れなかった売却物件に応用してみることにしたんです。
かたっぱしから「その物件に住む理由」をもったお客様の姿を考えたんです。
すると、どの物件に、どのお客様を紹介すればいいのかが、だんだん明確になってきました。それまでバラバラだったお客様と物件が線で繋がる感じです。
お客様と物件を結びつける線が「そこに住む理由」であり「そこで得られる将来」だということに気付きました。
お客様に適切な物件を紹介できるようになり、アピールするポイントが明確になってきます。
すると、これまでの苦労がなんだったのかというほど、面白いように契約がとれるようになりました。
まさに物件を紹介すれば売れる状態です。
私が営業所内でトップセールスになるまでに3ヶ月もかかりませんでした。
不動産営業は能力に差が大きい
不動産売却のコツを身につけた私は、契約をしまくりました。
3ヶ月も経たずにトップセールスを記録しました。それ以降、滅多なことでトップの座を譲ることはありません。
自分が売れるようになってみると、以前、仰ぎ見ていた上司・先輩たちが、必ずしも「売れる営業ではなかった」こともよく分かりました。
みんな、なんとなく紹介して、たまたま成約する・・・。
脳みそに汗をかいて考える営業が少なくって、狙って成約をとれる営業はとっても少ないことが分かってきたんです。
不動産会社には一応「営業マニュアル」が存在します。しかし、そのマニュアルには本当に大事なことが書いてありません。
最初のころは、「なんでマニュアルに書いてないんだろう?」って疑問に思っていました。
しかし、契約をバンバンとっていくと、なんとなくマニュアルに書いていない理由がわかるようになります。
売れる営業は、同僚・上司・先輩に大事なノウハウを知られたくないんです。
売れるノウハウを他人に知られたくない理由
一般的に不動産営業の基本給は驚くほど安いです。契約がとれない社員は家族を養うことが難しいレベルです。(>_<)ヽ ただし、契約ごとのコミッションが高めに設定されているので、契約をとれればとれるほど、バンバン手取りの給料は高くなります。
そんなお金を生み出すノウハウって、簡単に他人に言うもんではないですよね。
同じ営業所ではお互いにライバル関係です。
営業成績トップの社員には「トップ賞(特別報酬)」が支払われます、これがぜんぜんバカにならなくって、ぶっちゃけて言うと基本給の半分くらいの額です。
だから、自分で培ったノウハウは、ますます他人に教えることができなくなっちゃいます。(^_^)
こんな、ゆがんだ給料体系だから、
やる気のある人がガンガン売上を伸ばして、
そうでない人はボチボチ・・・。
営業の能力差がどんどん大きくなっていきます。
早く・高く不動産を売るコツは営業を選ぶこと
さんざん自慢めいたことや、不動産会社の内情を暴露してしまいました。(^^ゞ
なんで私が、こんなことを言うのか?最後に喋っちゃいます。
- 売りだしたのになかなか売れない
- 早く売って楽になりたい
- 時間をかけても高く売りたい
- 離婚するので一刻も早く現金化したい
- 近所の人に知られずに売却したい
いろんな理由で、自宅である不動産を売却されます。困っているお客様も多いと実感しています。
もし、私が営業活動をしている地域であれば、ぜひ私が担当営業としてお手伝いをしたいところです・・・。(*´ー`)
しかし、私が関われるのは残念ながら、ごく一部のお客様です。
だから、多くの人に知ってほしいんです。
不動産売却は担当営業の力量で結果が大きく変わるって!
これから不動産を売却しようと考えている人は、一人でも多くの不動産営業に会って、売れる営業に売却を依頼することが一番だと思うのです。
でも、一社ずつ不動産会社を訪問するのは、現実的ではないですね・・・。
不動産の一括査定では、複数の宅建業者(不動産会社)から、いっぺんに不動産査定をしてもらうことができます。
なるべく多くの不動産屋から査定をとると良いと思います。