ドラマ「家売るオンナ」第６話は、三軒家チーフが事故物件を売っています。
ネタバレになってしまいますが、やっぱり病院勤務の看護師が事故物件を買っていますね。
事故物件を購入する人はいるんです。
やっぱり、物件価格が安いのが魅力なんでしょうね。私は、一度だけ事故物件の仲介に絡んだことがあります。
その時の買主さんは、20代後半の女性で、職業は看護師、ちなみに独身でした。看護師として働いているからなんでしょう、死が常に身近にあるので、自殺したお部屋とかって、あまり気にされていませんでした。
ひたすら、安い買い物ができたことに喜んでいる様子・・・。
ドラマとしては、三軒家チーフが事故物件をたったの２日で売って、めでたしめでたし、なのですが・・・、「そもそも三軒家チーフに事故物件を売らせるのはどうなんだ？」と不動産屋的には、納得がいかないんです。
一括査定は大手が中心だったり、逆に地元の小さな不動産屋だけも・・。
・大手の安心感も大事だし・・
・地元不動産屋の意見も聞きたい
大手不動産会社と地元不動産屋の両方が参加するHOME4Uは、売れるNO.1営業を担当させます。
→ 【HOME４U】
事故物件を三軒家チーフが担当してはいけない理由
このような事故物件、本来なら、布施さんのような、ヒマを持て余しているベテラン営業が担当すべきです。
布施さんは、もとはバリバリの営業でしたね！
不動産屋を長くやっているうちに、組織とか人間関係とか、そういう色んなモノに削られていって、今ではすっかり最低限のノルマだけをこなす営業スタイルに成り下がってしまいました。（布施さんゴメンナサイ・・）
会社的な立場からすると、営業所のエースである三軒家チーフに事故物件を売らせるべきではありません。
その理由は、事故物件の販売は手間が多い割に売上金額が少ないからです。
不動産屋の報酬は手数料です。この手数料は仲介した不動産の物件価格によって決まります。
不動産の売買価格 仲介手数料の上限 200万円以下 5％（消費税は別） 200万円超、400万円以下 4％+2万円（消費税は別） 400万円超 3％＋6万円（消費税は別） ※業者が宅地または建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
平成26年2月28日国土交通省告示第172号
今回、ドラマで設定されていた事故物件は、本来２億５千万円相当の一戸建てが、１千万円で売られていました。（実際の事故物件はこんなに安くはなりませんけど・・・）
つまり、手間がかかって売りにくい事故物件を売っても、不動産屋としては（１千万円の３％＋６万円）３６万円の売り上げにしかなりません。
第４話の婚活クッキング回で、三軒家チーフは、料理家の一軒家（かまど付き）を３億円で売りました。
この時の仲介手数料（報酬額）は９０６万円です、でも不動産屋は、この報酬額を売主・買主の両方からいただくことができます、いわゆる「両手契約」というやつです。
つまり、３億円の物件を売ると、買主から９０６万円（三軒家チーフの売り上げ）、売主からも９０６万円（屋代課長の売り上げ）、合計で１８１２万円の報酬が会社全体で得られます。
放っておいても、１８００万円の利益を生んでくれる社員を、わずか３６万円の売上のために、泊まりこみで現地販売をさせる意味が分かりません。
布施さんでいいんですよ、事故物件の担当は！
不動産営業としては、熱意がないだけであって、あの年まで不動産屋として生き残っているんですから、知識も経験もあるはずです。
売れないわけではなくて、売らないだけなんです。
それでも三軒家チーフが売る理由
会社勤めとしては、事故物件の担当を三軒家チーフにしてしまう屋代課長のバランス感覚が、イマイチだと思います。
不動産は「売って終わり」ではないですからね、重要事項説明や契約行為など、時間も手間もたくさんかかります。しかも、報酬３６万円の物件も、１８１２万円の物件でも、やることは同じです。
ボクが課長で、課長がボクだ！
って言ってますけど、部下も屋代課長のマネジメント能力を見透かして、三軒家チーフに頼るようになっているのでは？とも思えます。
じゃあ、なんで三軒家チーフが物件担当になったのかというと・・・、
その物件、私が売ります！って手をあげちゃいましたね。
三軒家チーフには、「売りにくい物件を売る」というモチベーションがあるのかもしれませんが、それだけではありません。
家に罪はない！
三軒家チーフのセリフ
前回の第５話で明らかになりましたが、三軒家チーフはご両親を高２のときに失い、家を売っても借金が残ってホームレス生活をしていました。
きっと、家に対する執着というか、激しい愛があるんでしょうね。
雨をしのぐ屋根があり
風をさえぎる壁がある
それはとても、ありがたいことだ三軒家チーフのセリフ
だから、たいして儲からないと分かっている事故物件の担当に名乗りを上げてしまうのです。
