住んでいるマンションで、自殺騒動がありました。
自殺したのはマンションに住んでいた40代の男性で、働き過ぎによる過労が原因で、心を病んでしまったのでは、と言われています。
自殺したマンションの部屋は売ることができますか?
また、同じマンションで別の部屋を売りに出した場合には、値段(資産価値)が下がったりしないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
当サイトにお寄せいただいた、不動産売却査定に関する質問にお答えしています。
事件・事故のあった部屋でも売ることができます
ご家族が自殺された場合、残されたご家族は売却することができます。
自殺・無理心中・殺人事件などが起こったお部屋(一戸建ても)のことを、心理的瑕疵物件と呼びます。
- 安い価格で
- 専門業者に売却
するのが一般的です。
事故物件は、どれくらい安くなるのか?
ざっくり事故物件の相場感を申し上げますと・・・、
そのマンションの相場が3,000万円とした場合、自殺したお部屋(事故物件)は2,000万円くらいで専門業者に売却します。
この専門業者(買い取り業者と言います)は、再販売するために購入しています。
壁紙を替えて水回りに手を入れて・・・、さらに、簡単に売れない場合のリスクを見込んで、2,600万円ほどで売れれば、十分に利益が出せます。
価格さえ安くすれば売れない不動産はありません。
事件・事故の被害や心理的な影響次第で、買い取り価格は変わります。
心理的瑕疵の種類
心理的に抵抗感が生じるから「心理的瑕疵」と言います。
自殺の他にも、心理的瑕疵はあります。
- 強盗殺人
- 火事による死亡
- 近くに墓地・火葬場がある
- ラブホテルの隣り
事件・事故は時間が経つにつれて、心理的な障害は軽くなります。
一方で、立地に関しては近隣の環境が改善しない限り、心理的瑕疵が軽くはなりません。
同じマンションの別の部屋も自殺の影響を受ける
いただいたご質問には同じマンションで別の部屋も価値が下がるのではないか?と書かれていました。
結論から申し上げると、自殺の影響を受けて売却価格は(少し)下がるかもしれません。
ただし、自殺の影響は軽微です。
築後10年以上が経った大型マンションであれば、事件事故が全くないほうが不自然だからです。
事件・事故を調べるサイト
事件・事故のあった心理的瑕疵物件を調べるサイトがあります。
同じマンションに住んでいても、聞いたことがない事件・事故は多くあります。
事故を黙って売れば慰謝料・損害賠償も・・・
不動産業界では「事故物件(じこぶっけん)」と呼んでいます。事件・事故があった不動産物件といった意味でしょう。
知り合いの人に個人的に売却するのであれば、自殺や事件を隠し通せるかもしれません。ただし、不動産売買に不動産屋が仲介するときには、この自殺を買主に告げる義務が生じます。
買主への告知義務は、宅建業者だけでなく売主にも生じます。
契約関連の書類に記載する場合は「心理的瑕疵(しんりてきかし)」といいます。
この告知義務に違反して(自殺を隠して)売却したことが後から分かった場合には、慰謝料の請求をされるでしょう。
もちろん不動産屋としては、宅建業法に定められた通り、「自殺があった」旨の記載は怠りません。
しかし、人の死んだことのない場所って、ほとんどないでしょう。しかも自殺は、(最近少なくなっていますが)日本国内に一年間で3万人近くが亡くなっています。
だから事件事故があったマンションは意外に多いんです。
事故物件を買うのはこんな人
事故物件を購入する人はいるんです。
やっぱり、物件価格が安いのが魅力なんでしょうね。
私も、事故物件の仲介をした経験があります。
その時の買主さんは、20代後半の女性で、職業は看護師、ちなみに独身でした。
職業柄、死が常に身近にあるので、自殺したお部屋でも、あまり気にされていませんでした。
ひたすら、安い買い物ができたことに喜んでいる様子・・・。