一般・専属・専任?不動産会社との媒介契約の違いによるメリット・デメリット

所有する不動産を売却しようとするとき、不動産会社に「売ってください」という依頼をすることになります。

売り主「売ってください」 ←→「承知しました」不動産会社

これを口約束だけで済ますと、後々トラブルになりかねないので、書面を取り交わすことになっています。それが媒介契約と言い、一般・専任・専属専任と三種類の媒介契約があります。

複数の業者へ依頼 レインズへの登録 状況の報告義務
一般媒介 できる 業者の任意 業者の任意
専任媒介 できない 業者の義務 2週間に1回以上
専属専任媒介 できない 業者の義務 1週間に1回以上

「一般媒介」では、複数の不動産会社と契約を結ぶことができます。1社だけの一般媒介でも構わないですし、5社と一般媒介契約を締結してもOKです。

レインズ(指定流通機構)への登録

専任・専属と違って、一般媒介契約では、レインズ(指定流通機構)への売却物件の登録が業者の自由となっています。レインズとは「こんな売り物件があります」という情報を全国の不動産会社が閲覧できるインターネット上のデーターベースです。

専任・専属専任媒介契約を締結した不動産会社は、必ずレインズに物件を登録しなければいけません。ちなみに媒介契約締結から指定流通機構への登録までの期日も宅建業法で決まっていて、専属専任媒介が5日以内、専任媒介では7日以内となっています。

また、レインズに売却物件を登録したあと、同機構が発行する「登録を証する書面」を依頼者に遅滞なく引き渡さなければなりません。「宅地建物取引業法、第34条の2第6項、第50条の6」

レインズに登録されないと、その物件が売り出していることを他の不動産会社が知ることはできません。つまり直接、媒介契約をした不動産会社しかお客様に物件を紹介することができず、レインズに登録がないと、他の不動産会社にとっては「売り出していないも同然」なのです。

【追記】2016(平成28)年1月から、囲い込み対策で、売主がレインズの登録をチェックできるようになりました!レインズ売り出した不動産の検索可能に!

一般媒介契約のメリット・デメリット

不動産を売却したい依頼者が、複数の不動産会社に依頼することができるのが「一般媒介契約」です。依頼者(売り主)は複数の不動産会社と、それぞれ(複数の)一般媒介契約を結ぶことになります。

一般媒介のメリット

複数の不動産会社が同じ物件を売り出している「一般媒介契約」の場合、業者間で良い意味での緊張感が生まれます。

不動産の取引は基本的に、早い者勝ちです。一番手・二番手という(不動産)業界用語がありますが、先に購入の申し込みをした者に交渉・購入の優先権があります。

「他社よりも先に売りたい!」と思ってもらえればしめたものです。不動産会社が互いに競合する気持ちが芽生えれば依頼者(売り主)にとってメリットになるでしょう。

特に人気物件や、相場よりも安い物件では競争意識が働きやすくなります。

一般媒介のデメリット

一般媒介でのデメリットは、なんといっても不動産会社の責任感の欠如でしょう。「一般だから他社で売ってくれるだろう・・・」と全ての業者が考えたら、その物件を売ってくれるところが失くなってしまいます。

とくに人気のない物件や、相場よりも高い、いわゆる「売りにくい物件」では一般媒介契約のデメリットが目立ってきます
二人の男性のどちらかを、結婚相手として選ぶと思ってください。

  • 「A子もいいけど、B美もカワイイし、でも、お前のことも好きだよ」(一般)
  • 「お前だけなんだ! オレにはお前しかいない!」(専任)

たとえ嘘でも、後者のように言ってくれる相手を選んでしまいませんか?
不動産会社の責任感とは、依頼者(売り主)の気持ち次第で変わってしまうのです。

専属・専任媒介契約のメリット・デメリット

宅建業者(不動産会社)は、専任媒介と専属専任媒介とを区別していません。両者は「自己発見取引」ができるか否かの違いだけで、専任媒介であれば十分だと感じています。

広告・案内は専任物件を優先する

一般媒介と違って専属・専任媒介では、依頼者(売り主)は一社の不動産会社としか契約しません。当然、その不動産会社がしっかりと販売活動をしないと、いつまでも売れずに困ってしまいます。

ですから専任で依頼された不動産会社は、「物件を預かっている(なぜか、こういう言い方をします)」ことに責任感をもって対応しようとします。ポストの投函チラシや、新聞の折込広告なども、一般物件に比べて専任物件のほうが良い位置に大きく掲載されるのは当然です。

また、お客様(買い手)に物件を紹介する際も、(同じ条件であれば)一般物件よりも専任物件を優先して紹介します。
不動産を売りだそうとするその町に、不動産会社が一社しかない状況であれば、その会社専任で依頼をするのが良いと考えます。

担当が悪いと、いつまでも売れない専任媒介

専属・専任媒介で依頼をするデメリットは、依頼した宅建業者(不動産会社)と担当者の、モラルと能力が低かったら、なかなか売れないということでしょう。

宅建業者(不動産会社)は専任という独善的な立場を利用して、レインズ(指定流通機構)への登録も行わず、他の不動産会社に物件を紹介しない業者も少なくありません。冗談でしょ!と思われるかもしれませんが本当によくあることなのです。

レインズは、宅建業者しか閲覧することができないので、依頼者(依頼者)自身でレインズに登録されているかどうかを確認することができません。専属・専任媒介ではレインズへの登録が義務付けられていますが、違反して登録をしなかったとしても、宅建業者に対する罰則規定がないため、業者のやりたい放題と言ってもいいでしょう。

レインズに登録をしなければ、他社に邪魔されることもなく、お客様(買い主)も自分たちが決めることができます。すると売り主・買い主の両方から仲介手数料をいただくことができます。(これを両手契約と言います)

両手契約は担当者にとってもありがたいです。手間はほとんど変わらないのに、売り上げは2倍になるのですから。だから不動産会社はレインズへの登録をしたがらないんですね。

まとめ

一般・専任・専属のいずれの場合も、3ヶ月間はその媒介契約にしばられます。

おすすめの媒介としては、やはり専任でしょう。ただし、業者も担当者もよく見極めてから選ぶことが最重要です!【参考】不動産の査定で分かる担当営業の見極め方

私が不動産屋としての立場から言うと、一般媒介ではなくて、専任媒介にしてくれると、嬉しいし、テンションも上がるし、頑張れちゃう!というのが本音です。

しかし本質的には、一般か?専任か?を選ぶのではなくて、「だれに頼むか?」を選ぶのが大事です。そのためには多くの宅建業者に会って、話を聞く必要があります。

4・5人の不動産会社の担当に会って、“この人”と思える人が一人だったら、その担当のいる不動産会社に専任で頼めばいいでしょう。もし、“良い人ばかりで選べない”ようなら、一般でお願いすればいいと思います。

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