
そこで、まずは不動産屋に話を聞きに行くと、
「一般媒介では、まともに広告できない」と言われてしまいました。
まるで「専任媒介でなければ売ってやらないぞ!」という勢いです。
こんなことってあるのでしょうか?
専任媒介で頼むのが常識で、一般媒介では広告すらしてもらえないのでしょうか?
できれば一般媒介で、複数の不動産屋から家を売り出してもらいたいと考えています。
専任媒介・一般媒介のメリット・デメリットを教えてください。
当サイトにお寄せいただいた、不動産売却に関する質問にお答えしています。
目次
専任ファーストは不動産屋の常套句
専任媒介でなければ売れませんよ!
一般媒介の物件は広告できません!
専任媒介をゴリ推しする不動産営業は少なくありません。というより、ほとんどの営業が常套句として上記のセリフを使っているのではないでしょうか。
売却物件を「営業が薦めたから、その物件に決めた」なんてお客様(買い主)は絶対にいません。むしろ、不動産屋の営業トークに辟易していて、営業が薦める物件を疑っているお客様がほとんどです。
ですから安心して下さい。営業が一番に推したからと言って家が売れるわけではないですし、物件の条件にピッタリと合うお客様は、営業のオススメに関係なくその物件を購入します。

不動産営業は自分の営業成績のために専任媒介を薦めます。
他社との客付け競争になったら、自分のペースでのんびり営業できない、きっと勝ち目がないと思っているのでしょう。
専任は広告量が多いは間違い!
一般媒介では、ほとんど広告できませんよ!
専任媒介の物件を優先的に宣伝することになってます!
これは不動産営業が「専任で媒介契約を締結してもらおう」と必死になっているときのセリフです。この言葉に嘘はありませんが、あえて本当のことを隠しているとも言えます。
たしかに、その不動産会社にとっての広告量や掲載場所は、専任物件に比べて一般物件が劣るでしょう。しかし一般媒介で売り出す売主は、複数の不動産会社と媒介契約を締結して同時に売り出します。
1社による10の広告量より、5社から5ずつ広告を出せば、結果的に2.5倍の広告量になります。狭いところで深く掘り下げるか、浅くても広く掘るかの差になります。
現状の不動産広告はインターネットの物件情報が集客の生命線です。様々なポータルサイトはもちろん、ローカルな物件サイトにも数多く掲載して、ひと目に触れるほうが優位です。
営業の言う専任ファーストは営業自身に都合の良い言葉です。
一般媒介のメリット
一般媒介のメリットは、多くの不動産屋から売り出す点にあります。

- 能力が低く「売れない営業」に拘束されない
- 一社より複数社で広告したほうが絶対量が増える
- 囲い込みによる値下げ圧力がない
メリット1、「売れない営業」に拘束されない
これまで何度となく紹介してきましたが、不動産営業は「売れる営業」と「売れない営業」の能力の差が激しく存在します。専任媒介でも運良く「売れる営業」に担当してもらえたらラッキーです。しかし逆の場合は、いつまでも売れないばかりか、値下げまでしなければならなくなります。
最初に一般媒介を選択していれば、多くの不動産営業と付き合うことで、「売れない営業」が担当するリスクを軽減することができます。「売れない営業」が一定数いるかわりに「売れる営業」に当たる確率もあがります。
メリット2、一社より複数社で広告したほうが絶対量が増える
先に説明した通り、多くの不動産会社で物件掲載したほうが買い主の目に触れる確率は高まります。
そもそも不動産会社は選り好みするほど広告枠が少なくありません。「40物件まで月に◯◯万円」と言うように掲載物件数に応じて広告料金が決まっていて、不動産会社は必死に掲載枠を埋めようとしています。
専任だろうと一般だろうと掲載することに変わりはありません。
メリット3、囲い込みによる値下げ圧力がない
一社に専任で媒介を依頼すると、不動産屋には競合するライバルがいなくなります。売主をコントロールすることができるのが専任媒介を取得する不動産会社のメリットです。
不動産会社にはメリットですが、売主にとってはデメリットでしかありません。
他社からのお客様の紹介を、勝手に不動産屋が断ってしまったりするんです!
そして、十分に売主を焦らせてから・・・、こう言うのです。
お客様から問い合わせもないので、価格を下げましょう!
下げなきゃ売れませんよ!
不動産会社による囲い込みに関しては、大手不動産業者の囲い込みを避ける方法で詳しく紹介しました。