新築時に購入してから、丸8年住んだマンションです。
海外赴任が決まって、少なくとも5年は戻ってこれないことが決まっています。
海外赴任手当と住居手当も支給されるため、赴任先の住居に不自由はなさそうです。
住宅ローンを返済しつつ、マンションを賃貸に出して、賃料収入を得るのが魅力的に思えます。
しかし、空室のリスクや入居者のクレーム対応など、日本に居ないので大丈夫なのかと心配もあります。
いっその事、マンションを売却して住宅ローンの一括返済をしてしまえばスッキリするのは確実です。
しばらく住むことのないマンションは、貸すべきか、売るべきか、デメリットなどを教えてください。
当サイトにお寄せいただいた、不動産売却に関する質問にお答えしています。
マンションを賃貸に出すデメリット
海外への転勤、大変そうですね。頑張ってください!
所有するマンションを賃貸を出すことに魅力を感じていらっしゃいますね。ちなみに私自身は不動産売買専門の営業職なので、どちらかと言えば売却に寄った意見になってしまうことをご容赦下さい。
言うまでもないことですが賃貸のメリットは賃料収入を得ることです。一般的なサラリーマン(会社勤め)ならば、給与以外の副収入を確保することは、簡単ではない代わりに、とっても魅力的です。
一方で賃貸ならではのリスクとも向き合わざるを得ないと思います。所有物件を賃貸したら、その瞬間から大家になります。「素人だから・副業だから」と言う理由で大家としての責任から逃げることは出来ません。
- 空室のリスク
- 賃料滞納のリスク
- 入退去時の経費はバカにならない
- 売りたくても売れなくなることも
空室のリスク
所有するマンションを賃貸に出すと決めたときから、
(なんとなく)決まった賃料が毎月キチッと振り込まれることを想像していませんか?
意外に空室期間が長くて苦しい・・・。
こんな悩みを持っていらっしゃる大家さんは少なくないです。
賃料を下げれば、入居者も決まるんですが・・・。
安い部屋では入居者の質も悪くなりますし、
管理費・修繕積立金、固定資産税を考慮すると、簡単に値下げも出来ません。
賃貸に出しても空室のリスクは、ある程度見込んでおいたほうが不動産投資として成功します。
賃料滞納のリスク
ちゃんと入居者が決まって、入居してもらっていても、賃料が支払われないこともあります。
家賃の滞納と言うやつですね・・・。
いつも、賃貸部門の営業さんを悩ませています。
ただし、入居時に滞納保障を付けたり、保証人の代わりに保証会社を利用するケースが増えています。
以前よりも家賃の滞納リスクは減少しています。
入退去時の経費はバカにならない
東京ルールって聞いたことがありますか?
石原都知事時代に施行された、賃貸物件の退去精算に関する東京都の条例です。
この条例は、住宅の賃貸借に係る紛争を防止するため、原状回復等に関する民法などの法律上の原則や判例により定着した考え方を宅地建物取引業者が説明することを義務付けたものです。
- 退去時の通常損耗等の復旧は、貸主が行うことが基本であること
- 入居期間中の必要な修繕は、貸主が行うことが基本であること
- 賃貸借契約の中で、借主の負担としている具体的な事項
- 修繕及び維持管理等に関する連絡先
大家業は、片手間でする副業とは違うのだから、仕事として取り組んでくださいと定めた条例です。
退去したお部屋が普通に使っていて、汚れたり劣化したものに関しては、敷金から差し引いたり精算したりせずに、大家の負担で修繕をしなさい。また、退去のときだけではなくて、入居中の部屋の設備が壊れたりした場合にも、大家の負担で直さなくてはいけませんよ、と示しています。
大家業はラクじゃないですね・・・。
売りたくても売れなくなることも
不動産を所有するリスクとも言えることで、これが賃貸における最大のリスクではないかと考えます。
具体的には、地震・浸水などで建物が損壊したり、入居者の自殺・事件・事故により、不動産としての価値が著しく低下することです。
入居者の自殺とか、比較的よくあります。
自殺者の数は減少しつつあると聞きますが、入居している物件で起こると、賃貸部門の人たちが騒ぎ出すので自然と耳に入ります。
あわてて問題の不動産を売却しようとしても、もう売るに売れないんです。多くはないですが、不動産賃貸のリスクとして、心に留めておいてほしいことです。
リスクに見合う賃料なのか?
これらのリスクに見合う収入が得られれば、大家としては納得できるはずです。
多少のリスクはあっても、毎月15万円の収入になればOK!
このように割り切れるかどうかですね。
住宅ローンの金利・管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税、
これらの固定費を賃料収入から差し引いて、いくら残るのかで考えるのが良いでしょう。