中古の一戸建ては、独立性・庭へのあこがれ・駐車場の利便性などで、マンションからの住み替え需要があります。
ただし、漫然と売れるのを待っても、なかなか売れないものです。
一戸建てを早く・高く売るには、不動産屋と売主が協力して絵を描く(戦略を練る)必要があります。
一戸建てが語るストーリー
一戸建てを売るには、買いたい気持ちにさせるストーリーが大切です。
買いたい気持ちにさせたストーリーとは?
私が仲介した不動産取引で「買いたい気持ちにさせるストーリー」がバシッと決まった例をひとつ紹介します。
50坪くらいの敷地に一台分の駐車場がある4LDKの間取りでした。
正直いって、住宅としては特に際立った売りと言えるものがない物件でした、
でも、売主の売却理由にインパクトがあったんです。
内覧では、さりげなく売主さんに売却理由の話を振って、売主本人の口から大いに語ってもらいました。
- この家に住み始めて、運気が上がった
- ここに住んでから会社で重要なポストに昇進
- 年収は、それまでの3倍に跳ね上がった
- だから都心に住み替えることにした
見学したお客様はその日のうちに、値引き交渉もなく購入申込書を記入されました。
お客様(買主)は経営者だったので「縁起のいいもの」を好んだのが購入のきっかけです。
売れるストーリーの見つけ方
私には、こんなストーリーなんかありません。
こんな方も多いかもしれません。
でも、一戸建てを売るためのストーリーは、決して特別なことではないのです。
そもそも、見学に来るお客様は「こんな家がほしいな~」と思って見にくる人。
だから、あなたはやさしく、その背中を押してあげればいいだけです。
先ほど紹介した「売却理由」を振り返ってみると。
- 昇進した
- 年収が三倍になった
よく考えると、これらは売りだした一戸建てになんの関係もありません。
「この家に住み始めてから運気が上がった」っていうのも売主さんの主観です。
ウソはいけませんが、ものごとの見方をちょっと変えるだけでOKです。
どんなことでも、一戸建てを売るためのネタにならないか、頭をひねればいいんです。
過去の自分と対話する
ここでひとつ、不動産営業が不思議に思っていることをお教えします。
売主さんと買主さんは、性格がとても似ている。
これ、不動産の営業をしている人は、日々の業務でよく感じていることです。
趣味や性格が似ているから、同じ物件に興味を持ち、欲しがるのかもしれません。
つまり自分に説明するように、家のメリットを話せばいいのです。
- なんでこの家が欲しかったのか?
- どうして買おうと決心したのか?
先に話したような、際立ったストーリーは必要ありません。
普通の人が買ってくれるから、普通のストーリーで構わないんです。
ただし、尋ねられたことだけを答えても、相手には響きません。
事前に、担当する不動産屋の営業と打ち合わせをして、
- どういうふうに売っていくか?
- どんな話をするか?
一戸建てを売るには、やさしく背中を押す戦略が必要なんです。
優秀な営業が少ない理由
優秀な不動産営業は五人に一人くらい。
会社では20%の売れる営業が、80%の社員を食わせているイメージです。
不幸なことに、優秀な不動産営業ほど独立していなくなってしまいます。
欠員を補充するため他業種からも転職してきますが、先にいた使えない社員が必死で新人の足を引っ張ります。彼らは、入ってきた転職組に簡単に成績を挙げられては、自分たちの無能さを明らかにしてしまいます。
ろくな新人教育はしないし、資料を隠す・捨てる、データを消去するなんてのは不動産屋では日常茶飯事です。
ぜひとも、優秀な不動産営業を選んで売却を依頼してください。
家はあなたの大事な資産。
家を高く売るには、会社名でなく、人で選びます。
複数の不動産営業に会って話を聞きましょう。
多くの不動産営業に会える一括査定は便利です。