「既存住宅売買かし(瑕疵)保険」という新しい制度が2012年に誕生しました。
既存住宅売買かし保険は、中古住宅の流通を促進するため、国土交通省の肝いりでつくられた制度。
瑕疵(かし)とは、一般の言葉で「傷」や「欠陥」という意味です。
安価な中古住宅を購入したいけど、購入した後に住宅に欠陥があったら困る・・・。
「既存住宅売買かし保険」を利用することで、最長5年間に渡り、購入した住宅の「補修費用」「調査費用」「転居・仮住まいの費用」を保障するものです。
既存住宅売買かし保険は売主・買主・宅建業者の誰でも申し込める
「既存住宅売買かし保険」は売主・買主・宅建業者の誰でも申し込むことが可能です。
この三者は、それぞれに心配ごとを抱えているからです。
申し込める人 | 心配ごと |
---|---|
売主 | 売却した後の家で不具合などで、補修費を請求されないか? |
買主 | 購入後の不具合が心配。3ヶ月以降に瑕疵が見つかったらどうする? |
宅建業者 (不動産屋) |
隠れたる瑕疵がないか? 仲介を担当した責任 |
この心配ごとが解決できる。三者の全員に「既存住宅売買かし保険」のメリットがあります。
既存住宅売買かし保険の保険料はいくら?
「既存住宅売買かし保険」の保険料は、保険加入する団体によって費用が違います。
ざっくりとした目安ですが、建物診断の費用を含め、保険上限額1,000万円のコースで10万円程度です。
2018年現在、5つの団体が「住宅瑕疵担保責任保険法人」と指定されています。
- 株式会社 住宅あんしん保証
- 住宅保証機構 株式会社
- 株式会社 日本住宅保証検査機構
- 株式会社 ハウスジーメン
- ハウスプラス住宅保障 株式会社
既存住宅売買かし保険の支払対象
既存住宅売買瑕疵保険の支払い対象となる部分と、事例を紹介します。
保険対象部分 | 保険金を支払う場合 | 保険金の支払い事例 |
---|---|---|
構造耐力上主要な部分 | 耐力性能を満たさない場合 | 建築基準法レベルの構造耐力性能を満たさない |
雨水の侵入を防止する部分 | 防水性能を満たさない | 雨漏りが発生した場合 |
給排水管 | 有すべき性能を満たさない | 水漏れ・逆勾配 |
給排水設備・電気設備 | 機能が失われた場合 | 設備の機能停止 |
既存住宅売買かし保険のメリット
「既存住宅売買かし保険」には、売主・買主・不動産屋にとって、メリットがあります。
「既存住宅売買かし保険」売主のメリット
- 売却後の瑕疵担保責任の不安がなくなる
- 「既存住宅売買かし保険」加入で競合物件より売れやすくなる
- 瑕疵担保責任の免責による価格下落を防げる
「既存住宅売買かし保険」買主のメリット
- 一般的な不動産仲介の瑕疵担保責任期間3ヶ月を超えて保証を受けられる
- 保険契約前に、隠れたる瑕疵の事前調査を受けているので安心
「既存住宅売買かし保険」不動産屋のメリット
- 「既存住宅売買かし保険」の付保で売りやすくなる
- 他の不動産屋との違いを打ち出すことができる