私の親戚で、海外赴任をすることになった家族があります。
赴任先はアメリカ西海岸の某都市で、赴任期間が最低でも3年、長ければ5年におよぶといいます。
その家族には、二人の子どもがいて、小学生の低学年と高学年。
将来の進学に心配があることから、奥さんと子どもを連れて行くべきか、ずいぶん悩んでいました。
しかし、子どもがたとえ苦労したとしても、英語を習得する良い機会になるし、最終的にはプラスになると判断して、家族全員で移住することに決めました。
そこで、私に相談があったんです。
海外赴任中の自宅をどうしたらいいのか?って問題です。
私は不動産に携わる仕事をしているので、専門家に尋ね、調べてみました。
- 2年未満の短期赴任
- 2~5年の中期赴任
- 5年以上にわたる長期赴任
海外赴任の期間ごとのベストな案を紹介したいと思います。
【短期】2年未満の赴任・転勤には留守宅管理
海外赴任が2年未満の比較的短期ならば留守宅管理がベストだと考えます。
転勤中の留守宅を賃貸に出すという選択肢もあるのですが、短期の場合では賃借人が見つからないことが多いそうです。(何度か言っていますが、私は売買専門で賃貸の実務経験がありません)
たしかに借り手の立場になると、2年で引っ越さなくてはいけない賃貸物件って、引越し費用・手間を考えると、よっぽど安いか、それを上回るメリットがないと厳しいですね。
また、大型の家具や電化製品は、基本的に運びだして、空の状態にしないと賃貸に出すことができません。(例外はあるそうです)
まさか捨てるのはもったいないし、赴任期間中はレンタル倉庫を借りるにしても費用がかかります。
家具・家電を出して、借り手が見つかればそれでいいですが、いつまでも借り手が見つからなければ無駄になっていまいます。
他人に使われるのがイヤ
ほかには、大事な自宅を他人に汚されてしまうかもというリスクもあります。
- 壁紙(クロス)が汚れるのでは
- 他人が使った便器を再利用するのはイヤ
- 他人に自宅の風呂を使われるのがイヤ
赴任先から帰ってきた時のことを考え、こんな心配はとくに女性に多くあります。
帰ったあとにクロスを貼り替え・キッチン・浴室・便器などの水回りをリフォームすると、軽く200万円以上になります。そうなると期間中の賃料収入に見合わないでしょう。
また、賃借人が近隣住民とトラブルになったり、リストラされ家賃を滞納し、赴任を終えて帰りたくても、引越し費用がなくて居座られたりといったリスクも少なからずあります。
2年以内ならば、多少もったいない気もしますが、親戚などに頼んで定期的な空気の入れ替えをしたり、業者による留守宅管理サービスを利用するのがいいと思います。
【中期】2年~5年の転勤は賃貸にだす
中期の海外赴任や国内転勤の場合には、賃貸に出すことが良いと考えます。
短期の場合には賃借人が見つからないリスクがつきまといますが、2年以上であれば問題ないでしょう。
ただし、「賃貸収入で儲けよう!」などと欲をかかずに、「ローン返済の足しになれば」くらいの気持ちでいることが大事だと思います。
海外赴任中の留守宅を賃貸にするか?
→ 迷ったらリロの留守宅管理に相談してみましょう。(業界最大手です)
前述しましたが、帰国時のリフォーム費用も覚悟しておく必要はあります。
他人の手垢が許せないという人は、意外に多いものです。
【長期】5年以上の転勤なら売却
海外赴任が5年以上になるならば、思い切って自宅を売却することをおすすめします。
不動産を所有するというのは、それなりにリスクがついてまわります。
- 賃借人が近隣とトラブルを起こす
- 賃借人の自殺・一家心中
- 地震・天災によるリスク
- 住宅ローン金利の上昇
長く所有すればするほど不動産はリスクにさらされますね。
築5年の自宅を残して海外赴任すると、7年後に帰国した時に自宅は築12年になっています。
一戸建てならば、そろそろ外壁塗装をすべき時期でしょうし、マンションであれば一回目の大規模修繕工事が終了しているタイミングです。
それでも戻りたいような場所や自宅であれば、残しておく価値はあると思います。
しかし、一度、現金化しておいて、戻ったときに違う物件を買い直す選択肢もあります。
本腰を入れて不動産投資をしようと言う人でなければ、基本的に賃貸に出すことは(リスクに見合わないので)お薦めできません。