中古マンションには、売りづらい時期があります。
売り出して1ヶ月間、案内がないことは珍しくありません。
値下げする必要はありません
中古マンションが売れる時期は、だいたい決まっています。
中古のマンションが売れる時期に合わせて、売却スケジュールを組まないと損をしてしまいます。
3月を目指して家を売る準備
不動産の売買契約を締結して、だいたい一ヶ月後に「残金の決済・物件の引渡し」が行われます。
この「残金決済・引渡し」が集中するのが3月です。
4月が新年度で、学校は新学期が始まります。
新学期に向けて転居するので3月に引渡しが集中するのでしょう。
つまり、2月に売れて(売買契約を締結して)いないと間に合わない。
逆算すると、年末には「すでに売っている状態」でないといけません。
下に折れ線グラフで示しましたが、データの出典は、公益社団法人不動産流通推進センターが発行する「2020 不動産業統計集 不動産流通」です。
→ https://www.retpc.jp/wp-content/uploads/toukei/202003/202003_3ryutsu.pdf
一応、細かい数字をご覧になりたい方のために、データ元のキャプチャを貼っておきます。
8月は値下げNGな理由
上のグラフは、首都圏の中古マンションの成約件数を月ごとに表したものです。
パッとご覧になって分かるように、8月に成約件数が落ち込んでいることが一目瞭然です。
8月には、お盆の長期休暇があります。お子さんのいる家庭では夏休みのレジャーで忙しく過ごしていることでしょう。成約データが示すのは、需要が少なく、購入客の意欲が積極的ではありません。この時期に焦って売ろうと躍起になっても仕方がないことがわかります。
不動産屋の担当営業からは、「反響が少ないので値下げしましょう」と提案されるかもしれませんね。しかし、反響が少ない理由は、価格が高いからではなく需要が少ないことが考えられます。
8月の値下げは見送ったほうが良いと考えます。
年末には売っていないと遅い
不動産会社の仲介で、一般の買主に売却するのであれば、早めの準備がオススメです。
落ち着かない年末年始を過ごさなければなりませんが、できれば12月には売り出していないと繁忙期に間に合いません。
不動産営業の行動は総じて緩慢で、広告や集客に時間がかかるのが理由です。
買い取りなら一ヶ月前倒しが高く売れる
お客様がたくさんいる時期に売りに出ていないと、売却時期を逸します。
売れない状態が続くと、価格を下げざるを得なくなります。
買取り業者に入札してもらうと、意外に高く売れる時期が10月・11月です。
仲介よりも1ヶ月以上、前倒ししたスケジュールですね。
買い取り業者は、購入した物件をリフォーム(リノベーション)して再販売します。
このリフォーム期間を見込めれば、需要期に間に合うため、業者は強気の買取価格をつけます。
また、3月決算の企業が多いので、なんとか今期中に売り上げが滑りこむことのできる案件は、喉から手が出るほど欲しいと、買取業者の営業さんに聞いたことがあります。
中古マンションにも旬があり、その時期を逃すと苦戦を強いられるので、早め早めに動かれることをおすすめいたします。