これまで、不動産の売買仲介に関するとりとめのない事を、思いつくままに書いてきました。でも振り返ってみて、ちょっと反省したんです、もしかして、読んでくださる方に伝わていなんじゃないかって?
そこで、不動産業界の専門用語というか業界用語というか、私たち不動産屋が普段使っている言葉をまとめて紹介しようと考えました。
ここに紹介するのは、不動産業界の中でも「売買仲介」部門で頻繁に使用される専門用語です。
随時、加筆をしていきますので長い目で見守って欲しいページです。
預かり・預かり物件
専任・専属専任媒介契約を締結した、売り出し物件のことを「預かる」とか「物件を預かる」といいます。
- それは、弊社の預かり物件です。
- 私の預かり物件も紹介お願いしますよ~
こんなふうに使います。
預かり物件は、一般媒介を結んだ物件では、使われません。あくまで単独で売り出す依頼をいただいた、専任・専属専任の物件を意味します。
案内ボーイ
「案内ボーイ」って、あんまり使われない不動産用語かもしれません。意味は「案内だけをする営業見習い」で、人を指す言葉です。
その営業さん「名刺を持っていない」っていうんですけどどうしますか?
あ~ そうか、たぶん案内ボーイだろう!
業者に電話して確認がとれたら鍵を貸し出していいから。
紹介する物件の鍵を取りに行ったり、車でお客様を案内して回る係の新人営業を「案内ボーイ」と言うそうです。
もちろん、案内が終わったらお客様を営業所に連れて帰って、クロージング担当の営業さんに引き継ぐのでしょう。
ちなみにウチの会社には、そういう役割の人がいないので、聞いた話です。
物確(ぶっかく)・確認
物確(ぶっかく)・確認は、物件の確認という意味です。
物件確認は、他社の預かり物件に対して行われるもので、その物件が紹介可能なのかどうかを電話で確認する作業です。
業者:大丈夫です!ご紹介お願いします。
わたし:がんばります。
配属された初日に電話を取ったら、「確認お願いします」って突然言われてビックリしました。(汗)
研修では業界用語まで教えてくれないので、現場で慣れていくしかないのです。
話あり(はなしあり)
話あり(はなしあり)は、物件確認をしたときに返答される言葉です。
具体的なお客様との交渉が進んでいる物件で、他社の紹介を受け付けていない状態の物件を指します。
業者:その物件は「話あり」です。
わたし:そうですか、またお願いします。
当物(あてぶつ)・決め物(きめぶつ)
順序が逆ですが、決め物から説明します。
決め物は、紹介するお客様に(営業が)決めて欲しい物件のこと。
当物は、決め物を紹介する前に見せて引き立て役になってくれる物件のことです。
当物は、同じ価格帯・平米数なのに、決め物に比べて魅力のない物件が選ばれます。
仲手(ちゅうて)
仲手(ちゅうて)は「仲介手数料」のことです。略語ですね。
上司:ちゃんと仲手の半金いただくんだぞ!
わたし:はい。
客付け(きゃくづけ)
客付けは、賃貸の現場でよく使われています、売買では使われることはありません。(たぶん)
賃貸物件に、入居者をつける(契約させる)ことを指す言葉です。
現調(げんちょう)
現調(げんちょう)は、「現地調査」の意味です。似たような言葉に物調(ぶっちょう)・物件調査があります。
不動産の販売活動前には、販売図面と呼ばれるチラシみたいなものをつくるのですが、図面に記載しなければいけない物件概要が決まっています。
現地での調査も必要ですし、分からなければ役所に行って調べたりもします。
上司:寄り道すんなよ!(笑)
現販(げんはん)・現地販売
現販(げんはん)は、「現地販売会」の意味。
同じ意味でオープンハウス・オープンルームがあります。
現地販売会は、買う気のある購入客が多く来店すると言われています。
ただし、一日中、現場にいるので営業は暇です。(笑)
スマホがない時代の現地販売は、どうやって時間を潰していたのでしょう。
スマホの充電器や、モバイルバッテリーは必須です。
上司:寝るんじゃねーぞ!(笑)
赤道(あかみち)・青道(あおみち)

あと、もこみち(速水)とも違います(笑)
赤道と青道は、一戸建ての売買で、物件調査をするときに出くわします。
法務局で公図(こうず)を取得すると、周辺の区分け(所有関係)が分かります。
公図で、地番の入っていない「無番地」は、赤道か青道が多い。
赤道(あかみち)とは?
もともと、近隣の人が往来するために利用していた土地(道)。
誰の土地でもない、通路のような場所。
現状では、道として利用していなくても赤道に指定されていることが多い。
上の写真のように、家と家の間にある通路や階段。
青道(あおみち)とは?
もともと用水路だった場所。
いつから使われているのか分からず、誰のものでもない水路。
現況では、暗渠(あんきょ)排水のように蓋をされ、もしくは埋め戻されていても、無番地として存在することが多い。
間知(けんち)・擁壁(ようへき)
間知と擁壁は、コンクリート・石・ブロックなどでできた壁のことを指します。
建築に詳しくないので、ハッキリ違いが分かりません。
ただ、会社のオッサンたちの話しから、以下のように分類しました、
- 垂直のコンクリートの壁が擁壁(ようへき)
- 石・ブロック・コンクリートで固めた斜面

間知(けんち)
擁壁(ようへき)
法面(のりめん)
法面は、斜面のこと。
厳密には、切土・盛り土で出来た人工的な斜面を指す言葉。
ただし、自然にできた斜面も「法面」と呼んでいます。